かぼちゃの壺
カボチャは昔あまり好きな野菜ではありませんでした。
なぜかは分かりませんが、何か、食感と味がいまひとつ子供の頃の自分には馴染めない何かがありました。
ある日、大人になってから、レストランで出てきたカボチャの切れ端を食べてみました。すると、どうでしょう。。
全然違う、美味しい。サツマイモのように甘いのです。これなら、ホクホクしていて食べられます。カボチャを丸ごと茹でて1個食べる人がいるというのもうなづけます。
とにかく、栄養価が高い、炭水化物も多く、手が黄色くなるほどの栄養素が入っていて、緑黄色野菜の王様のようなカボチャです。
これだけ人気になったのにはわけがあります。あるときから、カボチャの種類がガラリと変わったのです。
ほぼ、似たような傾向の品種ばかりが売られるように成りました。
これは和食向きのカボチャから洋食向きのカボチャに変化したためです。これは、日本カボチャと西洋カボチャという二種類に分けられています。
文字通り、日本に昔からあったカボチャは日本カボチャというのですが、今ではほとんどが西洋かぼちゃで、本来の日本の味はどこかへ行ってしまったのだと思います。
両者の味は違っていて、日本カボチャは自分が子供の頃食べた、カボチャの匂いの強い、ねっとりとしたものでした。
あれが、大量に調理された状態で出てくると、結構厳しいものがありました。繊細な和食の料亭で食べていれば、好きになったかもしれませんが、大量に作られるような 調理法ではやはり、今ひとつ、カボチャの本来の味とか匂いを活かすことはできなかったようです。